株式市場は、企業が発行する
株式
と、それを発行・流通させる
株式市場
(マーケットとも言います)から成り立っています。
ここでは、株式の種類と、マーケットについて説明します。
■ 株式の種類
発行される株式の種類は、権利内容の差異によって、
普通株・優先株・劣後株・償還株・無議決権株に分類できます。
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『普通株』
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通常「株式」というと、この「普通株」の事を指します。
発行されている株式の大半はこの「普通株」です。
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『優先株』
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普通株によりも、配当や残余財産の分配の順位が高い株式です。
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『劣後株』
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優先株の反対で、劣後的取扱いを受ける株式です。
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『償還株』
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発行から一定期間経過すると消却することが約束されている株式です。
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『無議決権株』
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配当優先株のうち議決権のない株式です。
■ 株主の権利
株主の権利は「自益権」と「共益権」に分類できます。
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『自益権』
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経済的利益を受けることができる権利です。
会社の利益を配当として受け取る「利益配当請求権」や、
会社が解散した時の残余財産を受け取る「残余財産分配請求権」などがあります。
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『共益権』
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法人自体の目的を達成するための権利です。
株主総会に出席して、会社の経営方針等について決議する「議決権」や、
「株主総会召集請求権」、「取締役・監査役の解任請求権」などがあります。
■ 株式市場(マーケット)の種類
株式市場には、発行市場(プライマリーマーケット)と流通市場(セカンダリーマーケット)
の2種類があり、それぞれ以下のような違いがあります。
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資金調達目的で新規に発行される株式が、発行者から証券会社等を介して投資家に取得される市場をいいます。
株式の募集行為によって分類でき、投資家に直接募集するものを「直接募集」
証券会社に委託して募集するものを「間接募集」といいます。
既に株式を公開している企業、新たに株券を発行して資金調達することを「増資」といいます。
増資は「有償増資」と「株式分割」に分けられます。
有償増資とは、有償で新たな株券の引き受け手を募集する増資です。
株式分割とは、現在流通している株券を分割し、流通株数を増やす増資です。
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既に発行された株式が、証券会社や東京証券取引所のような証券取引所等を通じて、
投資家間で売買される市場をいいます。
流通市場は「証券取引所市場」と「店頭市場」に分けられます。
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『証券取引所市場』
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証券取引所市場は、流通市場の中心となる取引市場で、東証や大証などがあります。
証券取引所での売買は、一定の資格を備えた証券会社(会員証券会社)に限られます。
当市場で取引されるのは、一定の上場基準を満たした企業の株式のみとなり、
当市場で取引できる企業は「上場企業」と呼ばれたりします。
売買単位は、上場企業の定めた1単位(大部分が1,000株)で取引されます。
競争売買方法は「
価格優先
」、「
時間優先
」の両原則に従って執行されます。
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『店頭市場』
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店頭市場は、日本証券業協会が定めた規則に則って登録された「登録銘柄」と上場廃止銘柄からなる
「店頭管理銘柄」となっています。
JASDAQシステムと呼ばれる取引システムや各種制度改革によって、
店頭取引の取引所化が進んでききています。
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